【書評】司馬遼太郎が描く牛若丸『義経』

著者:津田恵子

【書評】司馬遼太郎が描く牛若丸『義経』

判官贔屓という言葉があるくらい、源義経を大好きな日本人。美形な好男子のイメージがあるが、司馬遼太郎の描く義経はもっと人間味がある。

以下、印象的な場面。

●頼朝との対面
義経を見定める頼朝と、緊張しながら謁見する義経。最初は認めあっていた2人なのに、ストーリーが進むにつれて、次第に亀裂が入り、心が離れていく有様はとても切ない。

●木曽義仲の性格
京都を追われる義仲が、恋仲になった都の貴族の娘と別れるやり取りが何とも俗っぽくていい。ちょっと滑稽。

●鵯越の逆落とし
山道を行軍し、敵の目を欺いて崖から馬ごと落ちて攻めた有名なシーン。怖がって言うことを聞かない馬の描写や、崖を駆け下りた馬の様子、義経が激を飛ばすところなど、すごくリアリティがあった。

●壇ノ浦の戦い
天才的な義経の戦術と思いきや、舟の漕ぎ手を射るのはルール違反だったらしい。そして、史実はどうだか知らないけれど、建礼門院(安徳天皇の母親)は死んでおらず、義経に身を捧げていた。

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