正しいことをやり続ける ~ 第二の人生を生きる者だからできること

著者:Art M.

役職定年の崖を超えて、1年半が経った今日の現在地

今から1年ほど前、「役職定年の崖を超えて」というタイトルで寄稿させていただきました。今回は、それから1年経った今日の現在地から見えているものを綴ってみようと思います。
その前に、1年前に寄稿した内容をふり返ってみましょう。こんなことを結びで述べていました。

・信じて、信じて、ひたすら信じて、行動し続けていれば、思いがけない形で、人の縁はやってくる。
・自分のやりたいこと、自分が一番貢献できることはこれだと思う活動の場を与えられた。それは、製品・サービスを作り上げるバリューチェーンを構成する異なる業界の企業同士の連携を高度化することで、デジタル時代の新しいビジネスを生み出す支援をするということ。
・新たな変化を自らのチャンスにしてしまうために、学び続ける。継続は力なり。その学びは必ず新たな何かをもたらす。

1年ぶりに読み返してみると、私の考えは変わっていないことに気づきます。

ただ、実際には、いろいろなことが起こりました。今も起こっています。
メーカーから商社にやってきた私が「メーカーはこう変化している」と話しても、聞く耳を持たず、自分たちのステレオタイプを変えようとしない。
この会社の多くの社員たちは(全員ではないが)自分のやり方を変えたくないし、変えなくてもよい。自分たちは逃げ切れると思っているのだろうというのが、あまりにもはっきりと見えてしまう。

そんな時、第二の人生を生きる者はどうすべきか。今回はこの課題を掘り下げてみようと思います。

変わらなければ生き残れない

第二の人生をスタートした私は、「役定おじさん」ではない自分になれました。今日の大変革期を乗り越えて、次の時代に飛躍する会社になれるよう、顧問職として、最大限のことをしなくてはならないと決意を新たにしました。

入社後すぐに、会社から「これを実現したい」というお題を頂戴します。ただ、それは、今やっていることの延長では実現不可能なことであることに気づくまで、長い時間は要しませんでした。
ですが、単に「これは不可能です」では、顧問職として無責任。求めていることの本質を理解し、「これならば、この会社でもできるのではないか」というアイデアを考え出し、自ら、行動を起こしました。

さて、行動を起こした結果、何が起こったでしょうか。

何人かの理解者が現れ、行動を共にしてくれましたが、大勢は逆。それはそれは、冷淡な反応に始まり、そんなことではなくて、目先の収益に貢献することをやってくれなくては困ると迫られるという事態に至りました。
それでも、私はそんな反応に屈しないという道を選びました。この会社が属する企業グループが掲げる変革の方向性に沿って、自分は何ができるか。顧問たる者、大局を見て、現場のマネジャーが見失いがちな大局を指し示す。実際に行動して、具体的な変化の道筋をつける。現場のマネジャーが抱える課題は大事。それをきちんとやった上で、これをやらなくてはならないのだという道筋を示さなくてはならない。

こんなことをやると、何が起こるか。

理解者と反対勢力が見事に明確に分かれました。ただ、辛かったのは、後者の方が社内のパワーバランスで優位に立っている方だったこと。これは堪えました。
ですが、世の中は捨てたものではないのです。

正しいことをやり続ける

2020年1月27日。この日を私は忘れることはありません。

私が第一の人生を生きた会社の、現役幹部との運命の出会いの日でした。私は、研究開発エンジニアが大好きな人間。その研究開発エンジニアから技術職の最高位まで行った方が自ら新規事業の立ち上げに手を挙げ、先頭に立って行動している。そこから、日を重ねるごとに、その姿を目の当たりにし、思いの深さを知り、気づいたら、一緒に事業を立ち上げようという思いを共にして行動している今日があります。

これだけの方になると、私があれこれ言わずとも、一緒にやっている人々も気づくものなのだと知りました。私と一緒に動いてくれている人々が心を動かされ、この人と一緒に、この人がいる会社と一緒に、事業化に向けて動きだしています。
今も、「目先の収益に貢献しないおっさんなんかいらない」という勢力は相変わらずいます。
ですが、私は自分が正しいと信じることをやり続けることを選んだから、運命の出会いがあった。運命の出会いが周囲の人々を動かし始めた。

「正しいことをやり続ける」ことの意味がここにあると思うのです。

もう少し続けます。
では、第一の人生を生きていた時、私はこれをできただろうか。多くの人々はできるのだろうか。

答は「極めて難しい」です。
第二の人生を生きる自分だからできることだったのです。

これから、第二の人生を生きる方々の中から、こんな方が一人でもでてきてくれたら、面白いことが起きるような気がするのですが。

いかがでしょうか。

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