40代から始める副業~越境で力試しのチャンス

著者:津田恵子

厚生労働省、副業制限に理由開示

厚生労働省の働きかけにより、日本企業の副業解禁の波が押し寄せそうです。2022年6月24日の日経新聞 にはこのように記載されています。

厚生労働省は企業に対し、従業員に副業を認める条件などの公表を求める方針だ。副業を制限する場合はその理由を含めて開示するよう促す。働く人は勤め先を選ぶときに、副業のしやすさを判断材料にできるようになる。副業を認める企業は増えつつあるが、大企業ほど慎重な傾向があり、情報を開示してもらうことでさらなる普及を目指す。働き方の多様化につながり、雇用の流動化の後押しにもなる。

雇用の流動性は、人的資本の開示にもつながる価値であり、企業としても無視できないところに来ていると思われます。個人の側でも、いつかやってみたいと副業について情報収集をしている方も多いのではないでしょうか。

副業解禁率について

では、実際企業の副業解禁率はどのくらいなのでしょう。

2020年に弊社で実施した調査※によると、副業を解禁している企業は22.8%、解禁に向けて検討している企業が17%、副業を解禁していない企業が60.2%でした。

また、解禁していない理由としては、下記の順となっています。厚生労働省のガイドラインにより、この辺りは緩和されていきそうですね。

従業員の労働時間管理

秘密保持、職務規定違反などのリスクが高まると考えている

従業員の健康状態の把握が困難になる

就業規則の改定が困難

人材流出のリスクが高まると考えている

※アンケート名称 「企業内の多様な働き方とリカレント教育」に関するアンケート調査

調査主体 Happines insight LLC
調査期間 2020/12/13 ~ 2020/12/26
調査方法 WEBアンケート
調査対象 上場および非上場企業の人事責任者・担当者
有効回答 206 社

40代の副業、何から始めるか?

まずは、副業の目的を自分で定義することが大切です。収入を増やす、経験を増やす、外の世界を見る、昇格条件だからなど、様々な理由があると思いますが、「外で自分のスキルや経験の何がいくらで通用するかを確認する」のがおすすめです。すでに定年退職している人のうち、51.4%が「一度も転職していない」というデータ※2もあるように、入社から同じ環境で自身の経験を積んできた方には、力を試す大きなチャンスです。

※2  アンケート名称:「新卒入社した会社と転職に関するアンケート」
調査主体:株式会社NEXER キャリアバイブル
調査期間:2022年6月12日 ~ 2022年6月14日

次に「副業先で通用するスキル、経験の棚卸し」です。入社から現在に至るまでの職務経歴書を書いてみる。そこで大切なのは「成果」です。私もそうでしたが、日本企業の方は、職務経歴書を事実の積み重ねとして作成する傾向があるように思います。一度立ち止まって、他社でも通用するであろう成果を意識して作成してみましょう。私の場合は、エージェントの方と話しながら、仕事の成果に気づくことがありました。一人だけで作成せず、第三者の目を入れるのはおすすめです。

最後に、一番重要だと思うのは「選考に落ちる経験をしながらチューニングすること」です。副業の場合も、仕事と人のマッチングがあり、つまり合否があります。最初は心理的なショックも大きいものですが、市場に自分を置きながら、評価されるスキルや経験の見せ方を調整していけばよいと思います。フィードバックは財産ですから。

現在、弊社では、副業解禁をお考えの企業様と、副業社員を受け入れて下さる企業様を募集しております。受入れ前の副業社員へのリカレント教育と、本業へ戻る際の評価をサポート致します。

ご興味ある企業様は、こちらのお問い合わせもしくはリンクトインのDMよりご連絡下さい。

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