リカレント教育って歯にいいってホント!?

著者:トレンドマン

リカレント教育って歯にいいってホント!?

僕も最近までリカレントとリカルデントの区別もつかなかった!

 「普段は新規事業開発マンとして、オープンイノベーション・プラットフォームを活用した、アクセラレーター・プログラムに取り組んでいる。」と書くと何がなにやら、さっぱりわからない人もいるかもしれない。
 
 カンタンに言うと、「大企業は多くのお客様を抱え、その方たちに商品・サービスを提供してきたけど、そろそろ頭打ちになってきた。でも、同じ業務をいかに効率化するという視点で仕事に取り組んできたため、別の視点から自分たちが保有しているリソースを使って、何ができるのか見つめなおすことができない。そこで、時代に即した、特化したアイデアを持ったスタートアップ企業の知恵を利用して、一緒に時代を超えていける新しい事業を生み出そう」ということだったりします。
 
 でも、そう言うとまどろっこしいので、カタカナ表記で簡略化しているのです。ただ、初見の人にはとっつきづらいし、わかんないですよね! 僕も教育分野が専門であるわけではないので、教育分野でのカタカナ表記がでてくると「ラテラル教育とリカレント教育って同じだっけ?何が違うんだっけ?」「リカレントってちゃんと言えるかな、リカルデントっていってしまいそう」みたいな感じでした。

言葉はわからなくても感じている空気感

 現職に就く前に、転職エージェントからは「50歳過ぎると色がついているとみなされ、なかなか転職先はないですよ」と言われ、非常に厳しい現実をつきつけられながら、大学の友人たちのSNSを見ると、どことなく閉塞感を感じる。というのも、今までなら仕事に向かっていたベクトルを、これまでを取り戻すかのように同世代へのコミュニケーションに向け、また、かつて好きだったロックバンドの再結成や来日コンサートに活路を見出している姿を否が応でも見るからである、「ああ。一線は退いたんだな」と。
 
 詐欺にでもあったかのように平均寿命は数十年も伸び、定年もどんどん上がっていき、追いつかなくなりそうである。今までの世代と同じように同じタイミングで一線を退き、砂をかみしめたような人生を歩まなくてはならないとしたら、かなり精神的にも厳しいなと感じる。
 
 そのような中、ふと見たTVで「北欧にはリカレント教育が根付いており、例えば自動車産業に従事していた人が社会人教育を受け、IT人材としてIT企業に再就職できる仕組みがある」と知る。なんだが、今までモヤモヤしていたことに、少し薄日が差したような気がした。
 
 いつかリカレント教育みたいなことが日本でも必ず必要になってくる。でも、形だけマネしたんでは絶対にうまくいかない。成功させるには技術や能力より、その心持ちにあるのではないかと思い始めるのであった。

 そんな折、アントレプレナーとして新規事業を提案する機会を得る。絶対的に自信があるAプランと、保険的にしつらえたリカレント教育のBプラン。絶対にAプランが採択されると思っていたら、まさかのBプランが選考通過してしまったのであった。

ほんとの課題はなにか?アンケートをとってみた

 全く門外漢の、そして思いつきよりも具体的知識のないこの教育分野で、最初に考えたのは、自分が感じている「漠然とした閉塞感」は同世代共通の課題なのか、あるいは取り越し苦労で、みんなは「取り戻したい青春を謳歌し、楽しい人生」だと感じているのか、ということだった。
 
 そこで現状を知るために、質問事項をつくりアンケートを実施することにした。13項目に回答する形式であったが、最後に一番聞きたいことは「もしリカレント教育が機能するとしたら、何が必要か」であった。この回答については思いがけないものとなった。

 ほぼ全員が同じ答えになったのだ。「教育をする前に、本人が次の人生において何をしたいのかを明確にしないと、せっかくの制度も砂上の楼閣である」「そしてリカレント教育が必要な理由は、仕事がなくなるかもしれないといったネガティブなものでなく、自分が輝くためにできること、社会やチームに貢献できることといったポジティブな要素が必要」といったものだった。やっぱりみんな必要とされたいんだと実感した瞬間であった。

 どのような制度設計になるかは、まだまだこれからであるが、必要とされるために何を考えるべきか、どう行動すべきかというポイントは絶対にかかさないでおこうと心に誓い、通常の業務と並行してブラッシュアップの日々を過ごしています。

コメント

  1. まるんこ より:

    withコロナ時代のリカレント教育について考えてみたいです。

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